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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


颯太side

俺らは将樹君の元に近づく。
近くで見るとこんなに体格差があったんだ。

「流石将樹!圧勝だったな!」

昂君が将樹君の肩に手を置いた。
後ろを向いていた将樹君がそれに気づき振り向く。

「お、おう……」

「おい……大丈夫か?」

将樹君の顔は血だらけで少し出血していた。
顔色も悪い。
今にも倒れそうだった。

「これぐらい……大したこと……」

「将樹!?」

気を失って倒れてしまった。
急いで昂君が首元の脈をとった。

「……生きてる。ヒカル!手当頼む!」

「うん!」

将樹君がこんなになるなんて……珍しい。
やっぱあの一撃は結構効いてたのか。

「将樹君の治療も大事だけど、速く上に行かないと……時間が無い。」

「そうだな。だからって置いてはいけない。」

「ぼくが見てるから先に行ってて。すぐに追いかけるから。」

ヒカルが治療をしながら俺らに言った。

「けど、ヒカルも一緒に……」

ヒカルが1番いっくんの元に行きたいはずだ。
置いてはいけない。

「これからずっといつきと一緒に居られなくなるのは辛いから。だから、早く行っていつきを止めて。お願い。手遅れになる前に。」

「……分かった。晃。おまえもここにいろ。」

「え!どうしてですか!?」

「2人だけじゃ不安だし。晃がいてくれた方がいい。」

「そんな……」

晃が悲しそうな顔をする。
申し訳ない気持ちは一杯だけど……
これが1番いい。

俺は晃に抱きついた。

「大丈夫だって!ちゃんと会えるから!死なねぇよ!」

「……当たり前です。死んだら許しませんから。」

「……終わったら、何処か行こう。いっぱい遊ぼう。デートしよう。約束。ね?」

「……約束ですよ?」

晃が力強く抱きしめ返す。
暖かい。
ちゃんとここに帰ってこよう。
晃の胸に。
「ただいま」って。

「2人を頼んだぞ。」

「はい。」

「私達はそろそろ行かないと。」

愛美ちゃんが昂君に声をかけた。

「そうだな。颯太、行くぞ。」

「うん。」

約束はちゃんと守るから安心しろ。
生きて会えたときはな。
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