第15章 ズレた思い
颯太side
凄い……あんな攻撃受けて生きてるなんて……
それに動けるなんて……
「何で……生きて……」
男が驚きを隠せないで口をパクパクと動かしていた。
「確かに今の一撃は効いた。結構な。攻撃力は大したもんだが……足りない物がありすぎる……」
「うぐっ!」
将樹君が男の腕を折る。
遠くからでも折れる音が聴こえた。
「まずは防御力……攻撃受ければお前は最後だ。」
「なっ!(汗)」
「それから……」
隙だらけの男の顔に強烈な蹴りを入れる。
あまりの威力に壁まで飛んでいった。
壁の一部がボロボロと崩れ落ちる。
すごく痛そう。
俺だったらあれで死んでる。
「準備……攻撃パターンが少ない。恐らく、今の一撃しか考えてなかっただろ。殴り殺す……確かに普通の人間なら脳が破裂して即死だな。けど、それが通用するのは普通の人間だけだ。」
「ひっ!」
男がビビって逃げ出した。
よく動けるな……あんなボロボロで。
「そして最後。」
将樹君が一瞬で男の前に立ち塞がり男と全く同じ攻撃を仕掛けた。
「……速さだ。」
「うっ……」
「お前は速いほうだが、俺にはお前の動きなんてスローにしか見えねぇんだよ。残念だったな。」
男は目を回して倒れてしまった。
気絶したのか。
もう将樹君は能力が無くても強いんじゃないかと思う。
ちょっとホッとしていっくんの方を見上げるといっくんも安心した顔をしていた。
そして、ヒカルそっくりの少年について行った。