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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


ヒカルside

「ちょっと!」

上の方から声が聞こえて見上げると、階段付近にぼくに似た男の子と隣にはいつきがいた。

「いつき!!」

名前を呼んだけど、返事をしなかった。
反応すらしなかった。

「分かってると思うけど、ソイツ殺したら許さないから。」

「分かってるって。いいからさっさと進めなよ。ソイツ連れて。」

「……ならいいけど。行くよ、樹輝。」

「っ!いつき、待って!」

ぼくの声にいつきが立ち止まった。

「すぐ助けに行くから!だから、待ってて!」

「来るな!」

いつきのその言葉に皆が驚いた。
どうして?
助けに来たのに……なんで……

「頼む……帰ってくれ。」

「い、いっくん?」

「お前の為なんだ……お前が幸せになる為にこの世界を変える。だから……帰ってくれ。巻きこみたくねぇんだ。お前らを。」

何言ってんの?
ぼくのため?
世界を変える?

「いつき……そんなの嬉しくないよ!やめて!」

「そ、そうだよ!いっくん!そんなのおかしい!きっと、そいつに騙されてるんだよ!」

「いつき……目を覚まして……」

「……覚ましてるよ。お前の為なんだ。」

そう言って階段を上がっていった。

待って……行かないで……
世界を変えるって……
全然嬉しくないよ……いつき。
そんなの間違えてる。
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