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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


キングside

それから、同じ目的を持つ仲間を集めた。
弟がある施設に入れられている事も知った。
約10年が経ち、僕達の誕生日に助けに行こうと決めた。
そして、全て打ち明けようと決めていた。
また2人で幸せに暮らせる……そう思っていた。

なのに……それなのに……

「……×××が……いなくなった?……どういう事だよ!?何処に行った?!」

「……古賀樹輝とかいう男の家にいる。」

「は?なんで……」

その話を聞いた時は怒りがこみ上げてきた。
僕の弟を……勝手に……
計画が全てメチャクチャだ……

手遅れになる前に弟を助けに行こうとその男の元に行った。

けど、僕が見たのは幸せそうに笑う弟の姿だった。
しかも、『ヒカル』と名前を付けられていた。
その姿を見て、樹輝という人物に興味を持った。
弟をあんなに幸せにした奴は一体どんな奴かって。

何か特別な人間なんだって……
調べていくうちにわかった。
弟とは特別な関係で、母さんと樹輝の父親が異体同心の関係にあった事も。
……樹輝には凄い能力がある事も。

勿論、樹輝には腹がたった。
でも、僕達の目的を果たせる希望でもあった。
力を借りたいと思った。

弟の幸せそうな顔を見た時、凄く嬉しかった。
でも、まだだ。
この世界が無くならないと……
怯えながら生きる弟を見たくなかった。

別に僕の側にいなくても幸せなら一緒にいなくてもいい。
初めは一緒に暮らしたかった。
……きっと樹輝と一緒にいる方が幸せなんだ。
それなら離れていてもいい。
せめて、兄としてしてやれる事……
これしかない。

それが僕の決意だった。
……弟も世界が変われば喜んでくれる。
幸せだって笑ってくれる。
そう信じて、樹輝に協力を頼んだ。
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