第14章 愛する者の為
ヒカルside
「……なるほどな。で?今から助けに行くのか?」
「うん。そのつもり。」
「わかった。俺も行く。」
まさきも帰ってきて、こうとまなみも集まった。
いつきの学校ではあの後「不審者が学校に乗り込んで銃を発砲した」ってなってるらしい。
まさきがニュースで見たって言ってた。
いつきとそうた、そしてあきらは欠席という事になってる事も分かった。
何でそんな風に収まってるのかは分からない。
でもまさきは、能力者の存在が一般の人達に知られない為に政府が手を加えてるんだろうって。
「でもさ、俺らの欠席は他の生徒や先生達は疑問に思うんじゃない?」
「それはヒカルと瓜二つのアイツの仕業かもしれない。俺もそこは分からねぇが、学校に戻ったら教師も普通だったし、3人もちゃんと欠席になってた。それが何かあったと思ってここに来たんだ。」
まさきがぼくの方を向き近付いてくる。
そして、頭を下げた。
「ヒカル、すまない。今日までお前を疑ってた。伯父を殺したのはお前なんじゃないかって。本当にすまない。」
「大丈夫だよ。そっくりだもん。仕方ないよ。」
本当に鏡を見ているみたいだった。
目の色も一緒だった。
いつきに切ってもらった髪も……
なんで……?
今すぐにでも助けに行きたかった。
でも、颯太の力もかなり無くなっていたため、しばらく休んでここを出ることにした。
いつきの居場所は分かる。
まだ感じる。
いつきは無事だ。
待ってて……すぐ行くから。