第14章 愛する者の為
樹輝side
ここは学校……
何百人と人がいる。
生徒だけじゃなく教師も。
下手すれば多くの犠牲が出るな……
たぶん、これだけじゃないだろう。
外には多くの支援部隊が隠れている可能性だってある。
だが……
都合のいいことにこの部屋は教室からかなり離れている。
職員室はまぁまぁ近いが教師も人間だ。
銃声を聞けばすぐに逃げ出すだろう。
政府自身、派手にはしたくないはずだ。
「古賀樹輝君、君はこの世にいたら危険な人物だ……いや、化物だ。君の能力で世界が滅ぶことだって有り得る。……自分でも分かっているはずだ。だから、君には……ここで死んでもらうよ。」
「……やっぱりそういう事か……」
前の俺だったら俺一人が死んでこの世界が助かるなら俺は迷いなく死を選ぶだろう。
今の俺なら?
迷いなく生を選ぶ。
なぜなら、愛する人が待ってるから。
「……だったら話は早い。」
その言葉と共に後ろの奴らが銃を構える。
それにも驚くことは無い。
知ってたからだ。
そして、俺に向けられた銃口から俺目掛けて弾丸が放たれる。
普段なら早くて見えないはずの弾丸が何故かゆっくりと、はっきり見えた。
……落ち着いているからか……