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そして今日も生きていく【R18】

第13章 将来


樹輝side

「樹輝君……私、今日はもう帰るね。」

「うん。……今日は本当にごめん。」

「いいよ。むしろスッキリした。樹輝君が幸せになってくれれば私も嬉しいから。……だから頑張ってね!受験も!恋愛も!応援してるから!」

「ありがとう。気をつけて。」

「うん。またね。」

まさか、華奈が応援してくれるなんてな。
本当にいい子だ。
……だから周りに好かれるんだろう。

「樹輝。ちょっと来なさい。」

父さんに呼ばれた。
……怒られるんだろうな。

「はい。」

「……華奈ちゃんから聞いたよ。告白を断ったんだって?」

「……はい。」

「どうしてだ?」

「……俺、今好きな子がいて……華奈の事は考えられなかったからです。確かに華奈は優しくていい子だと思います。……俺にはもったいないくらいに。けど、自分の気持ちに嘘はつきたくないと思って。」

「……そうか……いやー!良かった!良かった!」

「……え?」

怒ってない……
何か嬉しそうだ。
どういう事だ?

「お前に無理させてるんじゃないかって思ってたんだよ。この家に来て、後悔してるんじゃないかって。家を継ぐって言ったのも無理してるのかと心配だったが……ちゃんと自分の意思で決めてるんだな。安心したよ。」

「……俺は、今までも自分の意思で行動して来たつもりですが……」

「そうみたいだな。お前は俺達の本当の子供じゃないからな。不安だったんだ。まぁ、許嫁の件は残念だったが……」

「……父さん達には本当に感謝してます。本当の両親のように育ててくれたので。」

「……樹輝。頑張れよ。」

「はい。」

血は繋がってないのに、本当の両親みたいで……
優しい人達に囲まれて育てられた。
ちゃんと親孝行しよう。

「あ……樹輝。それからもう一つ……」

「はい?」

「……その話し方嫌いなら止めなさい。顔に出てる。」

「え……」

「やっぱり言葉遣いは無理してたみたいだな。」

……バレてた。
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