第13章 将来
颯太side
いっくんの誕生日パーティーは凄い。
沢山の料理があって、沢山の人がいて。
「おいしー////」
「口に付いてますよ(笑)」
「え、嘘。取ってー。」
「はい(笑)」
俺はテーブルの上の料理を食べ尽くしていた。
どれも美味しくて手が止まらなかった。
「ヒカル、元気ないですね。あんなに会いたがっていたのに。」
「……うん。」
さっきいっくんに会いに来た女の子、たぶん許嫁とかかな。
いっくんの事好きなんだろう。
「……お金持ちの息子も……大変だよね。」
「?」
「許嫁とか……親からのプレッシャーとか。」
「やっぱり、さっきの女の子……」
「晃もそう思うよね。」
「何となくですが。もしかして、ヒカルはその事気にしてるんですかね?」
「さぁ……どうだろ。」
もし、俺がヒカルの立場なら不安になるだろう。
許嫁がいる以上、恋人としての関係は難しいし。
たぶん、いっくんがパーティーに連れてきたくなかった理由の1つがこれなのかもしれない。
「……きっと大丈夫ですよ。樹輝先輩は、本当にヒカルの事大切に思っているのが普段から伝わってきますし。」
「そうだな。……晃。」
「なんですか?」
「……お前、スーツ似合ってるよ。カッコイイ////」
「っ!?颯太さぁん!!////」
「ぐ、ぐるじいぃ!はなせぇ!分かったからぁ!////」
俺もちゃんと晃の事大切にしないとな。
流石に誰にでもカッコイイなんて言いすぎた。
反省。
「颯太、海堂。今日はもう遅いから泊まっていけ。部屋はあるから。……2人1部屋になるが。」
「ほんとに?ありがとう!」
後でいっくんのご両親にお礼言っておかないと。