第13章 将来

樹輝side

「着れたか？」

「いっくん見て見て！どう？」

「サイズはピッタリだな。海堂も問題ないか？」

「はい、貸してくれてありがとうございます。」

「ねぇねぇ！晃！俺どう？似合ってる？」

「はい！颯太さんはスーツ着ても可愛いです！」

「……え？」

海堂は颯太のスーツ姿を写真に収めていた。
勝手にやってろ。

ヒカルを見ると着方が分からないのか1人オロオロしていた。
こういうキッチリしたのは初めてだろうからな。

「ヒカル、こっち向け。着せてやるから。」

「いい……自分でやる。」

俺を避けてるな。

「分からねぇだろ。教えてやるから。」

「……」

黙ったままこっちを向く。
ヒカルにスーツを着せていく。
その間も俺と目を合わせようとしなかった。
こんな顔を見るのは久々だ。

「……できた。よし、行くぞ。」

「あ、待って！4人で写真撮ろうよ！」

「……急げよ。」

「うん！」

颯太が上に携帯を掲げシャッターを押す。

「よし！……ってヒカル笑えよ！」

「あ、ごめん。」

「ま、いっか！じゃ行こう！」