第13章 将来
樹輝side
「すまん、待たせたな。俺の部屋に行こう。そこに服用意してあるから。」
俺はヒカルの後を追うようにして颯太たちのところまで歩いた。
部屋までは俺が先頭に立って案内した。
「ここだ。」
「樹輝君!」
「っ!華奈……颯太、2人連れて中でスーツに着替えてろ。俺が最終チェックするから。」
「はーい。」
颯太がヒカルと海堂の手を引き扉を閉める。
「……誰?さっきの子達。」
「友達だよ。」
「……そう……ねぇ、さっきの答え……聞きたい。」
「……」
「私ね、樹輝君の事ずっと好きだったんだよ?だから、許嫁とか、そういうの関係なしに……答えてほしい。」
「……ごめん、華奈。君じゃ駄目だ。君の気持ちには答えられない。本当にごめん。」
華奈は俯き黙り込んだ。
「……じゃあ、許嫁の関係考えたら?」
「それでも俺には好きな子がいるんだ。その子じゃなきゃ……駄目なんだ。」
「……そっか……樹輝君がそこまで言うなら……」
華奈は涙を流しながら走って戻って行った。
流石にまずいかな。
せめて嘘つくべきだったか?