第13章 将来
樹輝side
急いで玄関に向かうと、颯太達が引き止められていた。
「だから、古賀樹輝の親友ですって!」
「ですが、招待客の名前にはありません!お引き取りください!」
「颯太!」
「あ!いっくん!」
「樹輝様!?……いっくん?」
「いい、3人とも通せ。俺の友人だ。」
あー、やっぱりヒカル落ち込んでるな……
何て説明するか……
「し、失礼しました!まさか樹輝様のご友人とは知らず!」
「大丈夫だ。スーツを3着用意してくれ。全部俺の部屋に。」
「はい!」
こいつら私服で来てるし……
あんまり目立ちたくねぇな。
裏から行くか。
「にしても、いっくんのスーツ姿……カッコイイ……似合ってる……」
「颯太さん!?」
「颯太、俺が海堂に殺されそうだからそろそろその辺にしといてくれ。」
「どゆこと?」
ヒカルはなかなか付いてこない。
顔も見合わせないし……
「颯太、この先扉が見えてくるからそこ入って階段で2階まで行ってくれ。俺も後でそこまで来るから先に行ってろ。」
「おっけー。」
颯太が海堂の手を引っ張りドンドン進んで行く。
その間に俺はヒカルの元に歩み寄った。
「ヒカル、早く来い。」
「……」
黙って手を差し伸べると、首を横に振り俺を抜いて行く。
かなり、抱え込んでるな……
心臓痛ぇ……
今にも泣き出しそうだ。