第13章 将来
樹輝side
「颯太、来週予定あるか?」
「ううん……ないけど……もしかしてデートのお誘い!?だったら大歓迎!ぶっ!?」
「な訳あるか。」
颯太の顔を手で突き放す。
てかコイツ海堂と付き合ってるだろ。
「来週、1日だけヒカルを預けたい。」
「え、ウチに?」
「あぁ。」
「うーん……いいけど。ヒカルは1人でも大丈夫でしょ?」
「まぁな。けど、何が起こるか分かんねぇから。どこで誰が見てるか分からねぇし。」
「そっか……わかった!いいよ!」
「助かる。」
ヒカルの事はコイツに任せることができたからいいけど……
海堂怒らねぇよな?
というか仲直りしたのか?
「いっくんさ、進学先決めたの?また担任に言われるんじゃない?将来の夢も決まってないとか言ってたけど。」
「進学先は決めてないけど、家継ぐしかねぇな。特に夢も無いんじゃそれが良いだろうし。」
「待って!家継ぐって……いっくん家何?」
「……建築関係会社の社長。」
「まじ!?じゃあ、いっくんって坊ちゃんだったの?!」
「坊ちゃんって……ストーキングしてた癖に知らなかったのか?」
「し、知らないよ!……へぇ、坊ちゃんかぁ……カッコよくて、頭良くて、さらには坊ちゃんかぁ////」
海堂はよくこんな奴と付き合えるな。
恋人いるくせに周りのヤツに惹かれすぎだろ。
「そっかそっか!じゃあ将来は心配ないね!」
「だといいけどな。」