第13章 将来
樹輝side
ヒカルがお風呂掃除までしてくれていた。
何か新婚みたいだ。
「いつき、熱くない?」
「あぁ、ちょうどいいよ。ヒカルも来いよ。」
「え、いや……ぼくは後で入るよ////」
「何今更照れてんだよ。さっきしたばっかだろ。」
「う……とにかくぼくは後で入る!////」
浴室の扉が閉まる音がする。
本当何で照れてんだか。
……もうすぐ卒業か……
今年度はヒカルとも出会って、色々あったから学校の事が薄れていたけど……進学先どうするかな……
今日だって担任に「いい加減に決めろ」って言われたな……
ヒカルの事だってあるのに……近くの大学に進学するか……
ヒカルはこの先どうするべきかも分からねぇし……
けど一緒にいたいのは事実。
ヒカルだってそう言ったしな。
やばい……のぼせてきた。
上がるか……
「ヒカルー、入っていいぞー。」
「はーい。」
ヒカルと入れ替わる。
机の上の手紙に目が入る。
そう言えば開けるだけ開けて読んでなかったな。
手紙を開き目を通す。
内容は来週の誕生日パーティーに来いとの事だった。
そっか……来週は俺の誕生日。
てか18にもなってパーティーとか……
まぁ、家が金持ちってのもあるけど。
俺が引き取られた家はある有名会社の社長の家だった。
だから誕生日の度によくパーティーを開いていた。
俺はただ付き合わされるだけ。
確か、去年と一昨年は断ったんだよな。
まぁ、怒られたけど。
今年は……流石に行かねぇとな。
卒業だし。
お礼も言わねぇと。
「いつき?どうかしたの?」
「あ、いや。何でもない。」
「……うそ。それ何?」
「手紙だよ。誕生日パーティーに来いって。」
「それっていつきの誕生日!?ぼくも行く!」
「あ……これは……お前は駄目だ。」
「何で?」
「駄目だから。次の日に一緒にケーキでも食べよう。な?」
「……うん。わかった。我慢する。」
あー結構ショック受けてるな……
分からないでもねぇけど。
流石にあの場所には連れていけねぇな。
親にもなんて言えばいいか……