第12章 味方か敵か
将樹side
その日は伯父さんが後ろで眠っている所為でかなかなか寝付けなかった。
それに、今日はやるべき事がある。
「……将樹……寝たか?」
その質問には答えず寝たふりをした。
俺が眠っているのを確認して、俺の頭を撫でた。
その行動に反応しそうになるのを我慢する。
そして、伯父さんは小さく呟いた。
「……ごめんな。」
その言葉を言い残し、服を着替え家を出ていった。
『……ごめんな』
その言葉の意味は何となく分かる。
伯父さんが出ていったのを確認し、俺も準備をする。
先日、伯父さんの持っていたバッグを落としたときに中から1枚のカードを見つけた。
カードキーだ。
そこに書いてあったのは
『第3施設管理人 斉藤頼人』
伯父さんの名前だ。
第3施設管理人……
嫌な予感がした。
まさか伯父さんが政府側の人間だったなんて。
信じたくない。
けど、事実には違いない。
俺に会いに来る時はいつも能力者の仲間の話を聞いてきた。
きっとそれも何か理由があったんだ。
もしかしたら、俺らの場所を突き止めて施設にいれる為かもしれない。
だが、そんな簡単な理由か?
俺は真実を知る為に伯父さんを追う事にした。