第12章 味方か敵か
将樹side
「昨日……能力者に襲われた。」
「……お前が?」
「いや、俺の仲間。樹輝が連れていかれるところだった。」
その言葉を聞いた瞬間、伯父さんの表情が少し変わった。
それを見逃さなかった。
「まぁ、何とかなったけど。」
「そうか……ご馳走様。美味かった!」
伯父さんは食べ終わった食器を片付ける。
俺もあまり食欲が無くて片付けることにした。
俺は台所を綺麗にしようとスポンジを取る。
「伯父さんも少しは片付け手伝ってくれない?人家で寝かせてもらってんだからそれくらいして。しないなら早く帰って。」
「はいはい(笑)」
伯父さんは俺の方に近付いてくる。
そして後ろから食器を洗う俺の手をつかんでくる。
「ちょっ!なにすっ!」
振り払おうと振り向くと目の前には伯父さんの顔があって何故か身動きが取れなかった。
「将樹……」
「んっ!?!?」
口に暖かい物が当たる。
慌てて伯父さんを引き剥がす。
「なに……すんだ……てめぇ……////」
「なにって……キスだけど?」
「ふざけんじゃねぇ!!////」
何考えてんだ、この人!
「ふざけてないよ。本気。」
「はぁ?!」
「……好きだよ。お前の事。だから一緒に住もう。」
「勝手に決めんな!!俺はそんな感情一切ねぇよ!もう早く風呂入って寝ろ!この変態!!////」
「へー、泊まっていいんだ……」
しまった!
つい……
この人だけはどうしても負けてしまう。
勝ったことなんてない。
たぶん、そういう所も親父に似てるんだ。