第12章 味方か敵か
樹輝side
「それより、昂から連絡があった。愛美と昂も能力者に会ったらしい。しかも、ある人物を探していた。」
「え、それって……もしかして……」
そう言いながら、颯太が鼻血をティッシュで拭きながら起き上がってきた。
「樹輝だろうな。」
「俺?何で俺が。」
「俺も理由は知らねぇよ。けど、昨夜の氷野郎はお前を狙っていた。恐らく誰かからの指示だろう。……色々とめんどくさい事になってきた。このままだと、いつ樹輝が連れていかれるか分からねぇな。」
同じ能力者なのに……敵……
俺らとは何か違う考えがあるのか。
「探りが必要だな。あいつらの目的を探りたい所だが、あっちも恐らく警戒している。下手には動けねぇな。……俺が探る。颯太は海堂と昂と愛美、それからヒカルも入れて樹輝の周りを警戒してくれ。」
「任せといてよ!」
「待て!お前1人でやるのかよ……」
「あぁ。その方がいい。俺も動きやすい。それに……俺に考えがある。あいつらの目的は何となくで予想している。」
「予想って……」
「その7割は確信しているが……それを完璧な答えにする。」