第12章 味方か敵か
樹輝side
「で?何かあったのかよ。」
「だからイメチェンだって……」
「ほんとか?それにしてはお前、目合わせないよな。いつもなら真っ直ぐに目見るくせに。」
「……別になんもねぇよ。お前、そんなに他人事に首突っ込む奴だったか?」
正直、首突っ込むのはごめんだが将樹に何か変化があったらこっちも色々と不安になる。
「昨日の夜、あんな事があったから俺も色々周りの変化とかには気を張ってるんだよ。」
「……俺ら受験生だろ。お前らは将来の夢とか決めてんのか?」
将樹が口を開いた。
「俺は高校教師。大学も教育学部の所に進むようにしたよ。」
颯太は将樹の質問に答える。
「……俺は……警察官になろうと思ってんだ。」
警察官?!
将樹が?!
颯太も俺も一緒に驚いた。
「何でまた?」
「俺のこの能力を活かせるのはこの職業かなって思ったからだ。どうせなら人の為に使いたい。試験は1ヶ月後だ。」
だから黒染めしてピアスまで取ったのか。
授業も真面目に。
「けど、お前今までの授業受けてなくて受験大丈夫なのかよ?」
「いっくん知らないの?!」
へ?
「将樹くん、1年の時から考査結果学年上位なんだよ?この前とか1位だったし。」
こいつ、いつ勉強してんだよ……
「てことは将樹くんは公務員試験受けるってことか……ん?将樹くんの警察官姿……あっ////」
颯太がまた鼻血を出して倒れた。
妄想激しいな……
もう放っておこう……
将樹が俺に視線を向ける。
「樹輝は?」
「?」
「将来。」
「……まだなにも考えてない。」
俺はヒカルと幸せに暮らせればそれでいい。