第12章 味方か敵か
樹輝side
「あの!将樹くんが!?黒髪になってる?!?!」
廊下の女子は気のせいか顔が赤くなってる奴が多い気がする。
颯太は慌てて立ち上がり、廊下を走って将樹の元に向かった。
「将樹くん!?」
「っ!颯太……?」
「なんで黒髪にしたの?!ピアスまで外してるし!!ねぇ!キャラ無くなってるよ!?いいの?!ヤンキー要素まだ若干残ってるけど!何か教室に向かおうとしてるし!!授業真面目に受ける気じゃないよね?!」
颯太が将樹の肩を持ってガクガクと揺さぶる。
将樹の頭も激しく前後に揺れる。
「な、何のことだよ……」
うん、颯太は何を言ってるんだ?
キャラ?
「けどよ、お前本当にどうしたんだ?急に。」
「あー……まぁ……」
少し考えて……
「……イメチェン?……////」
少し顔を赤くしながら頬を指でポリポリと掻く。
こいつがこんな表情するなんて珍しいな。
ん?
颯太は何か鼻血出してるし……
「ま、将樹くんって……こんなにかっこよかったけ?////」
鼻を必死に抑えながらボソボソと呟く。
颯太はたぶん、かなりのイケメン好きなのかもしれない。
けど、イメチェン?
将樹が?
考えられねぇ。
「よし、将樹。屋上来い。」
そう言って、颯太を引きずりながら屋上に向かった。