第12章 味方か敵か
樹輝side
「おはよー。」
「おぉ。」
颯太が席に座りながら俺に声をかける。
「ん?お前、その手どうしたんだ?」
右手に包帯を巻いている。
「あ……これね。」
包帯を外す。
「それ外していいのか?」
「……予備持ってきてるし、巻き直せば良いから。」
包帯の下からは少し赤くなった皮膚が見えた。
「なんだ……それ?火傷?」
「たぶん、そんな感じ。俺さ、右手で扱う事が多いでしょ。それが原因だと思う。それに、昨日使いすぎたし……まだ、身体が付いていけてないんだ。」
「それ、海堂に止められるんじゃねぇの?」
「たぶんね。けど、俺の体だから俺が好きなようにする。」
「……俺自身、お前にもそんなに無理して欲しくねえけどな。聞かねえだろ。」
「聞くつもりないよ。俺はいっくんを守りたい。もちろん晃だって。」
それにしても凄い火傷……
何か廊下が騒がしい。
なんだ?
ふと廊下を見ると……
「?!おい!颯太!あれ!」
「うん?なに……え!?!?」
将樹が黒髪になっていた。