第2章 初めての外の世界
樹輝side
「い、イツキ……」
「?」
「さっきの人……誰?」
友達?じゃねぇよな……勝手に俺の所にいるだけだし。
「……いつも俺と一緒にいる奴。」
「あの人……目が……違う。」
違う?普通に見えたけど。
「怖い……樹輝と違う。他の人とも。」
颯太が怖い?
いつもヘラヘラしてて……確かに怖いけど……
ヒカルの言う怖いとは違う。
「……気のせいだろ。行くぞ。」
ヒカルの手を引き、服屋に入っていく。
たぶん、サイズはMサイズでいいだろう。
この時期だと、Tシャツとジーパンさえあればなんとかなるな。
「……ヒカルー?」
ヒカルはキャップを被って鏡をじっと見ていた。
「買いたいのか?」
「え!?いや……そうじゃなくて……こうしてると片目が隠れていいかなって……」
「けど、髪で隠れてるだろ?」
「……風が強いから……」
確かにそうだ。
俺はヒカルの被っているキャップを取り、選んだ服と一緒にレジに出した。
「イツキ!いいって!そんなに買わなくても!」
「いいから、黙ってて。」
俺はヒカルの口を塞ぎ支払いを済ませる。
「イツキ……ごめん。」
「何で謝るんだよ、俺がしたいからやってるだけ。腹空かねぇか?」
「……空いたけど……」
「近くにファミレスあるからそこ行くか。」
三店舗先のファミレスに入った。