第2章 初めての外の世界
樹輝side
ヒカルはキョロキョロと周りを見ながら俺の手をしっかり握って付いてきた。
「イツキ……青い天井ってどこまで続いてるの?」
「青い天井?……あ、空の事か?」
「ソラ?」
「空っていって、どこまでも続いてるよ。」
「へー……じゃ、じゃあ!あの白いモコモコは?」
ヒカルは雲を指して言う。
ほんとに何も知らないのか。
その後も犬、猫、鳥……マネキン……
色んなものを尋ねてきた。
その度に答えてあげた。
何か小さい弟を持った気分だ。
靴屋に着き、ヒカルに合うサイズを確認した。
23cmか……小さいな……
ヒカルに似合う色のスニーカーを選び購入後、すぐに履いていた。
「どうだ?さっきの靴よりマシだろ?」
「ウン、ありがとう。」
「よし、じゃあ次は服屋だな。」
人が多くなってきてヒカルが怯え始めた。
俺の右手を両手で掴み後ろに隠れるようにして歩いた。
「ヒカル、この人達は大丈夫だよ。普通にしてれば何も「いっくんだぁ!」っ!?」
「ふぁ!?」
ヒカルが驚いて変な声を出す。
「颯太……」
「あれ……その子……だれ?」
「あー……えっと……い、いとこ!」
「いとこ?ふぅん……何か怯えてない?」
しつこい奴だな……
「ごめん、俺ら急いでるから。じゃあな。」
「あ!ちょっと!」
俺はこのままじゃマズいと思い、急いでその場から立ち去った。