第12章 味方か敵か
昂side
お互い息が上がって疲れている。
五分五分か。
「5分経ったようね。今日はここまでにしておきましょう。この続きはいずれね。」
「あ、待っ!」
「そこのイケメン君も。またねー。」
そう言って消えた。
イケメンって俺の事?
そ、そうかなー。
何か照れる。
「昂、何ニヤニヤしてるの。」
「いやぁ、別に。なに?嫉妬してんの?」
「うるさい。あなたなんてどうでもいい。むしろ早く違う女見つけてほしいくらい。」
「え……」
と言うか……愛美と互角かぁ……
まぁ、姿が見えねぇ状態で攻撃されれば仕方ねぇよな。
「……明日にでも将樹に報告しておかないと。」
「そうだな。」
「あなたはその傷ちゃんと消毒して。」
「あ、あぁ……」
心配してくれてんのか?
「それから……」
「?」
「さっきはありがとう……」
「……へ?」
「だから!……ナイフ……あのままだと死んでた。助けてくれてありがとう////」
「お、おぉ……」
愛美にお礼言われた……
しかも後ろ姿でも顔が赤いのが分かる。
「……早く帰らないと……騒ぎ聞いた人が警察呼ぶ。」
「……そう……だな。」
愛美が……俺にお礼……
うわ!ちゃんと聞いとけば良かった!
「なぁ!もう1回!!もう1回言って!」
「早く帰らないと」
「そっちじゃねぇ!分かってるくせに!」
「……騒ぎ聞いた人が……」
「だからちげぇぇって!ほんとは分かってるくせに!ほら!早く!あぁぁぁぁ!?」
身体に電気が回る。
「昂……死にたい?」
「い、いえ……調子に乗りすぎました……すみません……」