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そして今日も生きていく【R18】

第12章 味方か敵か


樹輝side

「他に痛む所ない?」

「おぉ、サンキュ。」

ヒカルは颯太の治療を終わらせた。
綺麗に傷跡も元通りにできてる。

ヒカルは治癒能力があるが、自分の体力を相手に渡すのと同じ事のためかなり消耗される。

「ねぇイツキ。僕ね見てほしいのがあるんだけど……」

「おぉ……?」

ヒカルは俺の手を引き、先程の昂と颯太の手合わせでヒビの入った壁の元へ来た。

そして、手をヒビの部分にかざし目を光らせる。
治療の時と同じように。

「……おぉ……」

思わず声が出た。
ヒビの入っていたはずの所が綺麗に元通りになっていた。

「へへ……こんな事までできるようになっちゃった。」

俺の方を向き直し無邪気な笑顔をつくる。
ヒカルの表情が豊かになってきて、人間らしくなってきた。

「凄いな。」

俺も思わず笑顔になる。

ヒカルが急に膝から崩れ落ちる。

「ヒカル!?」

そのまま座り込んでしまった。
どうやら体力が完全になくなってしまったようだ。

「今日はもう帰ろうか。」

「うん。」

「将樹、俺らはもう帰る。また明日な。」

「そうか。じゃあ、俺らも帰るか。愛美、ここまでにしておこう。」

愛美は将樹と手合わせをしていた。
愛美はかなり疲れている様だった。
将樹の圧勝か。

昂と愛美が一緒に帰り、将樹、颯太、海堂、ヒカル、俺は一緒に歩いて帰った。
ヒカルをおぶって歩く。

にしても嫌な空気だ。
気持ち悪い風……
星1つ出ていない。

将樹と颯太が立ち止まる。
ヒカルも俺の背中で何か反応をした。

「何か来る……」

「あぁ……」

ヒカルの手に力がこもる。
なんだ?
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