第2章 初めての外の世界
ヒカルside
イツキに手を引かれる。
その手は暖かくて今まで感じたことのない温もり。
人間ってこんなに暖かいんだ。
化け物みたいなボクに優しいイツキに少しドキドキしていた。
これって何なんだろう。
別に心臓に何も刺した訳じゃないのに痛い。
イツキが扉を開ける。
そこは眩しくて、青い天井が広がっている。
思わず立ち止まってしまった。
「ヒカル?」
「……ごめん……初めて外の世界に出るから……怖くて……」
イツキは既に外に出ている。
「……それに……ボク靴なんて持ってない。」
「あ……忘れてた……」
イツキはゴソゴソと靴を探していた。
「うーん……これ入るか?少し大きいかもしんないけど。靴も次いでに買うか。」
ボクはとりあえずその靴を履く。
「外……出れそうか?」
「ウン……」
ゆっくりと外に足を付ける。
何ともない……
ただ風が吹いていた。
「大丈夫。」
「じゃ、行くぞ。」
イツキは再び手を引いて歩き出す。