第11章 つり合わない
颯太side
「颯太さん!」
「やっと来たか……」
「かい……どう……あ……////」
意識はほぼ無くて頭の中が真っ白になっていた。
「颯太さんから離れろ……」
「……はいはい。」
来るなって言ったのに……何でこいつは……
「敦……てめぇ……覚悟出来てるんだろうな……」
「まぁね。けどいいのかな?俺らに反抗でもしたらこれネットでばら撒くから。」
敦君が取り出したのは携帯……
『っあ――――――っ!////やめてぇ!痛いっ!』
っ!さっきの……
ハメ撮り……
「ってめぇ……」
「まぁ聞けよ……満足できたら俺もこの動画消すから。だから言う事聞け。晃。」
「……分かった。」
「っ!駄目だっ……海堂……っ!」
「颯太さんは気にしないでください。俺は大丈夫ですから。」
海堂は膝をつき両腕を抑えられる。
「じゃ、遠慮なく。」
ドゴッ!
やめてくれ……海堂……俺のためにそこまですんじゃねぇよ……
海堂はボロボロになり始めていた。
このままじゃ……死んじまう……
止めたいけど……体が動かない……
助けなきゃ……
何とか上半身を起こし敦君の頭に狙いを定める。
俺は……好きな奴のためなら……人だって殺せる!
もう、これ以上海堂を傷つけんな!
僅かな力で能力発動させ、敦くんの頭を燃やす。
「うっわぁぁぁ!なんだこれ!!」
「敦くん!!」
3人がバダバタしている隙に海堂があっという間にその場を片付けた。
速い…てかアイツあんなに強いのかよ……
あ、やば……意識が……
「っ!颯太さん!」
最後に見たのはいつもの優しい顔をした海堂の顔だった。