• テキストサイズ

そして今日も生きていく【R18】

第11章 つり合わない


颯太side

「うぅ……」

「……お前、日に日にクマが酷くなってきてるな。」

「えっ嘘っ!?最悪……」

「……寝れてねぇのかよ。」

「うん……」

いっくんには別れたことを一番に伝えた。
もちろん理由も。

「そんなになるくらいなら別れるなよ。」

「でも……」

「ホントはまだ好きなんだろ?無理すんなよ。それに釣り合わないとか考え過ぎなんだよ。暫くは俺たちの集まりにも来るな。」

「……うん……」

前の隠れ家が襲撃され、1週間前から新しい場所に集まってる。
廃墟だ。
最近は能力発動のコントロールができるようになってきた。

「もう1度ちゃんと考え直せ。何が正しいかなんて分からねぇけど、その瞬間が幸せならそれが正解だと俺は思う。」

その言葉に何か背中押された気がする。
もう1度考え直す……

「うん、ありがと。いっくん。考え直してみるよ。じゃあ、また月曜日。」

「おう。」

俺はいっくんに手を振り家までの帰り道を1人で歩いた。
だいぶ暗くなるのが早くなってきたな。

……海堂と離れて、こんなにボロボロになるなんて思ってもなかった。
やっぱり俺は海堂がいい。
海堂にもちゃんと本当の事言おう。

「あ、颯太先輩!」

えっと確か……

「敦くん?」

「俺の名前覚えててくれたんですか?!嬉しいです!」

こいつらほんとチャラチャラしすぎ……
もっと海堂みたいに大人しい格好しろよな。

「この後何か予定とかありますか?」

「いや、特には。」

「じゃあ。ちょっと俺らに付き合ってくださいよ!ね?」

いいとも言ってないのに腕を引っ張られていく。
まだなんも言ってねぇんだけど……
……まぁ、いいか。
ちょっとくらい。

――――この時、断っておけばよかった、無理やりにでもこの手を振り払って――――――

――――そしたらこんな事にはならなかったんだ――――


/ 245ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp