第11章 つり合わない
颯太side
「離せよ。」
「……なんだ、待ってたのってコイツだったんですね。」
4人とも目が怖い。
空気がピリピリしてる。
「いいから離せって言ってんだよ、敦。颯太さんに触れんな。」
「……別にいいだろ。お前のじゃねぇんだから。」
何でこんな事になってんだよ!
海堂も、こんなに怒ったことないし!
声も何かいつもより低いし!
力もどんどん強くなってる……
てか、もうほんとに手が限界……
「うっ……いった……」
思わずしゃがみこんでしまった。
「っ、颯太さん!ごめんなさい!大丈夫ですか?!」
敦という奴と海堂が手を離した。
やば……痣……
どんだけ強いんだよ……コイツら……
「あーあ、晃のせいで先輩が泣きそうになってる。」
「颯太さん大丈夫ですか?」
「う、うん……もう帰ろう。」
「……はい……」
俺は片方の手を抑えながら立ち上がり、3人の横を通り過ぎて歩いた。
海堂は俺の隣を心配そうに歩いてくれた。