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そして今日も生きていく【R18】

第11章 つり合わない


颯太side

仲直り出来たのはいいけど……
俺らこれでいいのかな?
いっくんの両親みたいになりそうで怖い。
海堂には迷惑なんてかけられないし……

「……上手くいかなかったのか?」

「ううん、そんなんじゃないよ。……俺たちこれでいいのかなって……人間と能力者、つり合わない関係だから。いっくんの両親もそうだったように……っ!」

しまった!
あまり口に出さない方がいいのに!
慌てて口を手で塞ぐ。

「気にすんな。もう大体は思い出したし。気にしてねぇから。」

「ごめん……」

思い出したんだ。
きっと俺より辛いよね。

「で?俺の両親?が何?」

「ううん!何でもない!自分で考えるから大丈夫!聞いてくれてありがとう!」

「そうか。」

「てかさ、いっくん何か変わったね。」

「?」

「前までは俺の話なんてめんどくさくて聞きもしてなかったくせに、今じゃ自分から聞いてくれるし。……ヒカルが来て変わった。」

「……どうだろな。まぁ、何となく以前より生きてるのが楽しく感じてきた。」

「……そっか。じゃあ、ヒカルとの出会いは正解だったんだね。」

いっくんとヒカルは出会っていい方向に進んでる。
お互いが何か大切な事に気づいて一生懸命生きてる。

けど、俺たちは何も得てない。
ただ、自分たちの欲求を満たしているだけ。
……決めた……

「ありがと、いっくん。決心が付いたよ。」

「俺なんもしてねぇよ。」

「話聞いてもらえたから。」
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