第11章 つり合わない
晃side
颯太さんと分かれ、教室に戻った。
仲直り出来てよかった。
俺、たぶん颯太さんがいないと駄目だ。
教室に入ると……
「あははは!何だそれ(笑)」
「いや、マジだって!(笑)」
1人は机の上に座り、1人は立ち、もう1人は椅子に座っている。
コイツらはいつも煩い。
中学校の頃からの付き合いだ。
最近では夜中出歩いて喧嘩してるとか。
いわゆる問題生徒だ。
しかも……
「やっぱさ、颯太先輩可愛いよなー(笑)」
「確かに!俺抱きてー!」
「うわ!お前きも!(笑)」
「んだよ!てか、お前らも一緒だろうが!(笑)」
そう……颯太さんの事が好きらしい……
颯太さん本人は気づいてないだろうけど、あの人はかなりモテる。
しかも歳下に……
「腰細いよなー。」
「声も綺麗だし、あの声で喘がれたら半端ないな!」
「聞いてみてぇ(笑)」
コイツらの会話にイライラしている。
出来れば関わりたくない存在だが……
俺はそいつ等の元へ歩み寄る。
「ん?何か用?王子様(笑)」
「王子様(笑)」
「……颯太さんの事を話すな……」
口が勝手に動く……
「……は?お前何言ってんの?(笑)」
「てかさ、さっきのもそうだけどお前先輩の何なの?」
「あ!もしかして、お前も好きとか?(笑)」
「まじ!?(笑)」
更に怒りが増す。
「黙れ……」
敦の胸ぐらを掴む。
コイツとは中学の時からつるんでいたが……
今ではもう関係ない。
「……お前さ、変わったと思ったけど……やっぱ変わってねぇよな。猫被ってんじゃねぇよ(笑)」
ムカついたが、周りの声が耳に入ってきて我に返る。
何やってんだ……
手を離し、教室から出る。
そうだ……敦の言う通り……俺は猫を被ってるんだ。
颯太さんが知ったら?
きっと別れようって言われる。
颯太さんには『どんな秘密があっても好き』だとか言ったけど……
俺が秘密にしてる事があるって知ったら呆れられる……
それが俺には怖い……