第11章 つり合わない
颯太side
いっくんはちゃんと朝から学校に来ていた。
「おはよ!いっくん!」
「おぉ、おはよ。」
明るく挨拶を交わす。
「昨日はどうだった?(笑)」
「?なにが?」
「どうせヒカルとイチャイチャしたんでしょ?(笑)」
すると、いっくんは何も答えず窓の外を眺める。
図星かな?
「……人の事良いからお前も早く仲直りしろよ?」
「……なんで知ってんの?」
「将樹に聞いた。理由は知らねぇけど。」
今日の昼休みにでも会いに行って話そう。
これからの事はその後に考えよう。
人間と能力者……つり合わない俺ら……
とりあえず、このピリピリした関係を戻さないと……
1年の教室に来てみた。
1人の男子が気づいてくれた。
「颯太先輩じゃないですか?!どうしたんですか?」
え、何で俺の名前知ってんの?
まぁいいや。
「あのさ、海堂晃っているかな?」
「あー……おい、海堂。何か先輩きてるぞー。」
あれ、何かさっきまでの笑顔が消えて怖くなった?
海堂がバタバタと廊下に出てくる。
「颯太さん!」
「あのさ、今から話せる?」
「えーと……場所変えましょう。」
周りを見ると皆こっちに注目していた。
そうだ、コイツモテるんだった。
「そうだな……」