第11章 つり合わない
颯太side
将樹君の家に着くと、昂君がいっくんの様子を見ていた。
「あ、おかえりー。」
「昂、何も無かったか?」
「特には……けど、コイツ、何か苦しそうだったんだけど?」
苦しそう?
そう言えばヒカルは何も感じなかったのか?
「……ヒカル、何も感じないか?」
「何か胸が苦しい。痛いじゃないけど……寂しい……?たぶん、イツキ夢見てる。」
夢……どんな夢なのかな?
「とりあえず、このペンダントを首に掛けてやれ。」
そう言って将樹君がヒカルにペンダントを渡す。
昂君は『愛美に会いにいく』とか言って帰っていった。
ヒカルがいっくんの首にペンダントを掛ける。
「っ……ヒカル?」
「イツキ!ヨカッタ!」
いっくんはすぐに目覚めた。
久しぶりに声を聞いた。
ほんとに良かった……
「いっくん……もう大丈夫なの?」
「?何ともないけど……何かあったのか?」
「何かって……何日も眠り続けてたんだよ?」
分からなかったのか、いっくんは驚いた表情を浮かべた。
「そっか、迷惑かけたな。」
「イツキ……っ!会いたかった!」
「ごめんな、ヒカル。帰ろうか。」
「ウン!////」
ヒカル幸せそうだな。
俺も……海堂と仲直りしねぇとな……
連絡も無視しちゃってるし……
学校出会ったら真っ先に謝りに行こう。