第11章 つり合わない
颯太side
ヒロくんが安全な場所に降ろしてくれた。
「……お前の能力やっぱ凄いよ。自信持ちな。無駄な能力なんてないと思う。」
ヒロくんの顔は真っ赤のまま。
変なの。
~♪
「あ!この曲!」
養護施設の方から流れて来る。
子供の声。
この歌、よくお母さんが歌ってくれてたな。
気がついたら歌ってた。
ここで歌うのは凄く気持ちよくて、何でも忘れられる。
「お前さ……声、綺麗だな////」
「……なに?告白?(笑)」
冗談でそんな事を言ってみる。
あれ、さらに赤くなった(笑)
「っあのさ!お前の!……颯太の!性格とか、顔とか、声とか……俺、お前の全部が!す////」
ピリリリリ♪
電話……
「……早く出ろよ……」
あーあ、拗ねた。
「ごめん。」
たく、誰だよ……
手元の携帯に表示されている名前を見ると海堂だった。
げっ!
出たくねぇ……
「なに、恋人?」
俺の携帯を覗き込んでくる。
「な!?……うぅ……」
まだ、小学生には早い……
「……何で出ねぇの?何かあったのか?」
「まぁ、ちょっと喧嘩した……」
ピッ!
「あ!?あぁぁぁ!何すんだよ!」
ヒロくんが勝手に消した。
「嫌なんだろ?だったら、切ればいい。それに……俺の言葉……遮りやがって……」
「あぁ、ごめん。なんだった?」
「……お前の事が好きだ!声も顔も性格も!全部!////」
「…………
はぁ!?!?!?」