第11章 つり合わない
颯太side
「……綺麗……火でこんな事出来るのか?」
「色々遊んでたらできるようになった。」
「他には?!」
興味を持ってくれたみたい。
「……鳥とか?」
俺は鳥の形に変え、空に上げた。
高くまで羽ばたきスっと消える。
「すっげぇ!」
「確かに、普通の人間じゃないけど……俺は後悔してない。お前笑顔に出来たしな!」
「っ!」
?
笑顔になったかと思ったら急に俯いた。
「俺は……お前とは違って人を笑顔に出来ねぇし……何の役にも立たねぇよ。自分の身を守ることしか。だから……こんな体嫌なんだ!」
「……どんな力なの?」
ヒロくんは立ち上がって目を閉じた。
「俺は……」
っ!浮いてる?!
てことは……浮遊能力?!
「凄い!空飛べるの!?いいな!」
「……凄くない。空飛べるって言うか……自分の周りの空気を自由に扱える。こんな力あっても役に立たない……」
「そうかな?」
近くの崖に向って走る。
「!待て!そっちは!」
思い切って後ろ向きに飛び降りる。
正直かなり怖い。
けど、ヒロくんが元気になってくれれば……
体が浮いた気がした。
目を開けると目の前にはヒロくんの顔。
「ばぁか!何やってんだよ!!死ぬ気かよ!!」
「……役に立ってんじゃん。」
「え……」
俺はヒロくんに抱えられている。
「ありがとな(笑)」
「う、うせぇ……////」
顔真っ赤だし。
ツンデレか。