第11章 つり合わない
颯太side
あー、疲れた。
はしゃぎすぎた。
楽しかったけどね。
そう言えば、ヒロくん見てないな。
別に気になるわけじゃないけど……
「あ、みさ先生!ヒロくんは?」
「あー、あの子、基本一人が好きみたいなんです。それに、実はあの子不思議な力持ってて、周りを気にしてるのかも。」
不思議な力?
みさ先生は裏山によくいると教えてくれた。
言われた通りの場所に来てみた。
あ、いた。
一人で何やってんだろ。
「何やってんの?」
「っ!なんだ、あんたかよ。」
「あんたって……俺は颯太。ちゃんと名前があるから!」
「別にもう会わない様な人間の名前なんて覚える必要ないし。」
「……あぁ、そう。」
本当ムカつく。
けど、何か悩み事でもあるのかな?
「あのさ、何かあったの?」
「あったって?」
「いや、一人でいるし。皆といる方が楽しんじゃねぇの?」
「……俺、普通の人間じゃないから、あんな所いたら皆がビビるだろ。」
……普通の人間……じゃない。
俺はヒロくんの隣に座る。
「なんだよ、気持ちわりぃから近づくな。」
「俺も普通の人間じゃねぇよ。」
俺は手から炎を作り出し、小さな馬の形を火で作った。