第10章 ペンダント
ある所に強い能力を持った男がいた。
余りにも強過ぎたため彼は少しでも抑えようとあるペンダントを知り合いに作ってもらった。
それがあれば彼は普通の人間と同じ様に生きることができた。
学校に行って勉強して友達も作って……そして恋に落ちて……
普通の人間として生きることに彼は幸せを感じていた。
そして、当時交際していた女性と結婚した。
彼自身の能力の事も全て彼女は知っていた。
ある日、仕事から帰っている途中、不思議な力を持った女性と出会った。
その瞬間、2人には何か感じた。
彼女は4つの力を持っていた。そして、お腹には2人の子供がいた。
丁度同じ時期に彼の奥さんも1人の男の子を授かっていた。
誰かに追われていた女性が自分の奥さんと重なり、放っておくことが出来なかった彼はその女性を助けた。
だが、この2人の出会いは間違いだった。
2人は特別な関係、つまり異体同心の関係にあった。
この関係はどちらかの能力が消えてしまえば無くなる。
能力が消える……言い方を変えれば違うものに能力が移るという事だった。
多くは自分の子供に受け継がれることが多い。
だが稀にその能力者に対して何か強い感情が湧けば受け継がれる事もある。
2人はお互いの子供が産まれるのを待った。
それまでは外との関わりを絶つ事にした。
彼は奥さんに全てを話し、暫くは距離を置いた。