第10章 ペンダント
颯太said
「……どうしてそんなに詳しいんですか?」
「私も祖父に聞いた話だ。祖父が何故知ってるかは知らない。この本に全て書いてある。」
見せてくれたのは分厚い本。
かなり古い。
「この中に書かれているのは伝説だと……祖父の言ってることは作り話だと思っていた。けど……本当だった。それを知ったのは樹輝くんと出会った瞬間だったよ。」
「……いっくんはどこで見つけたんですか?両親は殺されたんですよね?いっくんも目の前で殺されたって言ってたし……犯人は見つかってないって聞きましたし……生きてるのは奇跡としか……」
「うん……それはあの子の両親のお陰だよ。」
「両親?」
「……ちょっと長い話になるかもしれん。それでもいいなら話そうか。」
聞いていいのかな?
いっくん嫌がらない?
でも……気になるし。
ヒカルも丁度目を覚ました。
「ソウタ……誰?その人……」
「神父さん。いっくんの事話してもらうからこっちに来なよ。」
「イツキの事って……なに?」
「ヒカル君っていうのか。樹輝くんが付けたのかな?」
「ウン、イツキがくれた名前。光り輝くような笑顔でいてほしいからって。」
「……小さい頃言ってたな。子供には『ヒカル』って付けたいって。『光り輝く様な笑顔でいてほしい』。全く同じこと言ってたよ。」