第10章 ペンダント
颯太said
「樹輝くん、なかなか心開いてくれなくて……まぁ、両親が殺されて人間不信になるのも無理もないわ。」
「……それで……ずっと1人で……」
「うん……でもよかった!友達が出来たんだね。心配だったから……そう言えば樹輝くんは?来てないの?」
「あ……えっと……」
「その方達は誰かな?」
優しい声共に現れたのは、本当に絵に描いた様な神父さん。
「神父さん!あ、この方達、樹輝くんの友達らしくて……何かペンダントの事について聞きたい事があるらしいんです……」
「……あぁ、君達もか……みさ先生、ちょっと部屋を貸してくれるかな?」
「はい、いいですよ。」
神父さんに連れられ部屋に入る。
「……君達も能力者だね。」
「っ!」
将樹くんも驚いている。
俺も少し警戒してしまった。
「安心しなさい。何もしないよ。」
「……率直に聞きます。このペンダントは何ですか?」
「っ!割れたのか?」
「はい、割れた瞬間、樹輝の体に異変が起きました。」
俺も見た。
いっくんがあんなに怖かったのは初めて見た。
「……樹輝くん……あの子は……能力者だ。けどただの能力者じゃない。」
「?ただの能力者じゃない?どういう事ですか?」
「……あの子の力は強すぎる。ヘタしたら世界が滅ぶ。だから、このペンダントで力を抑えていたんだ。……けど、割れただけでよかった。完全にバラバラになればもう止めるのは不可能に近い。」
いっくんにそんな力が?
世界が滅ぶほどの?
「けど、その子……樹輝くんと特別な関係のようだね。」
眠っているヒカルを見て言う。
「その子なら止めれるかもしれない。」
ヒカルが?
っ!確かにあの時もヒカルだけいっくんに触れられた。
この人……何?
人間?
何でこんなに詳しいわけ?