第10章 ペンダント
颯太said
「ここだ。」
「ここ?……『ひまわり園』……」
予想通り、養護施設だ。
「どうする?門は鍵がかかってるし……」
勝手に入っても不法侵入になりそう。
俺達が門の前に立っていると小さい男の子が通った。
「あ……ね、ねぇ、ボク。誰か大人の人居ないかな?居たら呼んでほしいんだけど……」
「……あんたら誰?」
目つきが悪い。
感じ悪い餓鬼……
「えっと……ちょっと話がしたくて……」
「……みさー」
み……さ?
誰それ。
すると女の人が走ってきた。
「ひろくん!先生でしょ!」
「いって!」
ひろくんと呼ばれるその子は先生にゲンコツを落とされた。
「何かコイツらみさに用があるんだって。」
コイツらって……
「あの餓鬼っ!将樹君!もう帰ろ!俺あんな餓鬼苦手!」
「?餓鬼ってあんなもんだろ?ここで帰れる訳ねぇだろ。」
イライラしてない?!
なんで?!
「あの、ちょっと話を聞きたいんですが……中に入れてもらえませんか?」
「えっと……何の用ですか?」
少し警戒している。
「……古賀樹輝……知ってますか?そいつの友達なんです。このペンダントでお話が……」
「っ!それ……神父さんが……それに古賀樹輝って……あの樹輝くん?!友達出来たんだ!よかったぁ!」
女の人、みさ先生は門を開けてくれて中に入れてくれた。
「今日はたまたま神父さん来る日になってて……多分もうそろそろ来るんじゃないかしら?」
「そうですか。少しここで待ってても?」
「うん、全然いいよ!子供たちがうるさいかもしれないけど……(笑)」
……ここにいる子達は皆親に捨てられたり、失った子達なんだ……
何人いるんだろう……
いっくんも……ここで暮らしてたんだ……
「ほら、これ!小さい頃の樹輝くん!懐かしいなぁ……この頃私もここに来たばっかで……あれからもう十年近く経つんだ……」
みさ先生がアルバムを持って来てくれた。
可愛いぃぃ!
これいっくん!?
やっぱ小さい頃から顔整ってる……
今もカッコイイもんね……
でも……どの写真も1人だ。
昔から1人が好きだったのかな?