第10章 ペンダント
将樹said
俺達が住んでる街から電車で2時間。
それから乗り換えてまた1時間電車に揺られ、目的の場所に向かう。
ヒカルはずっと気にしてて暗い表情だったが、颯太がヒカルの相手をしてくれて、少し笑顔が戻った。
コイツら、案外仲いいのな。
犬猿の仲かと思ってた。
「……次降りるぞ。」
「あ、うん。……ヒカル、寝ちゃった。」
「長く電車に乗ってれば歩くのと同じくらい疲れるだろう。電車も初めて乗るみたいだったし。」
「そうだよね。……今から行く場所ってさ、いっくんと何か関係あるって事だよね?」
「さぁな。行ってみねぇ事には。」
樹輝の体は事情を伝え昂に預けた。
アイツなら何があっても守ってくれそうだ。
初めは文句言ってたが。
「いっくんってさ、小さい頃親殺されて養護施設に預けられたらしいんだ。その後は養子として引き取ってくれた人がいたらしいんだけど……もしかしたらここに関係してくるんじゃないかなって思う。このペンダントもその頃に神父さんから貰ったって言ってたし。」
神父……?
何か知ってるのか。
目的の駅に着き降りた場所は周りが全部田んぼや畑に囲まれた田舎。
俺らの騒がしい都会とは違ってとても静かだ。
こんな所で生活してたのか。
「ここから歩いて行く。ヒカルは大丈夫か?」
「俺がおぶって行く。」
細い体してよくおぶれたな。
俺は携帯で住所の位置まで調べ歩いた。