第10章 ペンダント
颯太said
怒って出てしまった。
あれから一切口を聞いてない。
連絡も無視した。
……海堂の口からあんな言葉が出るなんて……思ってもいなかった。
けど……流石に俺もやりすぎた。
海堂の言う通り……恋人の隣で他の人の事考えるとか……
しかも前ずっと好きだった人。
そりゃあ、ああなるよな。
謝ろう。
携帯を取り出し、受話器ボタンに指をかざす。
いや、待て。
俺が謝る必要あるか?
悪いのはあいつだろ。
俺の友達を……あんな風に……
いやいやいや!
俺も悪いし!
よし!謝ろう……
……
…………。
やっぱ明日にしよう。
うん、それがいい。
結局電話するのは止め、携帯をポケットしまった。
「っ!颯太。」
「あ、将樹くん……いっくんは?どんな感じかな?」
「……全然起きねぇよ。」
「……そっか……ヒカルは?相当落ち込んでるんじゃない?」
「まぁな。絶対起きるって信じて側から離れねぇよ。」
「……俺、今日いっくんに会いに行こうかな。」
「別に構わねぇが……?あいつは?お前のペット。」
ぺ、ペット!?
まぁ、犬みたいだけど……
「あー……ちょっと色々あって……喧嘩中?ってやつ。」
「……何かお前も大変だな。」
「……まぁ。」
「あ、実は樹輝のペンダントの裏に住所が書いてあったんだ。ここどこか分かるか?」
「住所?……さぁ、どこだろう。ここに今から行くの?」
「あぁ、まぁ行ってみる価値はある。ヒカルも連れていく。お前は来るか?」
「うん、俺も行く。」