第10章 ペンダント
颯太said
ヒカルは目を覚ますといっくんの方を見る。
「……っイツキ!なにやってんの?!ダメだよ!」
ヒカルはいっくんにしがみつき必死に止める。
俺は触れることさえできなかったのに……
ヒカルは普通に触れている。
「イツキ……ダメ……殺しちゃ駄目……イツキ……」
すると急にいっくんが男の首から手を離した。
「ヒカル……よかった……生きて……」
ヒカルを見て安心したのかそのまま倒れて気を失ってしまった。
「イツキ!?」
「大丈夫だ。眠ってるだけ。」
将樹くんが駆けつけ脈を測りとった。
「よかった……」
「けど、アイツは……駄目かもな。」
親指で指したのは海堂だった。
「うそ……」
ホントだ……血が止まらない。
ど……どうしよ……
倒れている海堂の頭を足に乗せどうにか血を止めようと頭の傷を押さえる。
けど止まらない……
「やだ……やだっ!目開けろよ!」
涙がボロボロと流れ出てくる。
好きな奴が死ぬと感じるとこんなに胸が苦しくなるんだ……
「かいどう……もっと一緒にいてぇよ……頼む……目開けてくれっ!」
「……ソウタ……ごめん、ボクのせいで……」
ヒカルが近づき俺に謝る……
「……何でお前が謝るんだよ……自分の身も自分で守れなかった俺が悪い……」
「……ゴメン……なさい……」
それでもヒカルは海堂の頭を押さえている俺の手に触れて謝り続けた。
っ?
ヒカルの目が輝いている。
青い光……
なんで……
「ヒカル……目が……」
「え……あれ……なに?」
ヒカルは今はどこも怪我してない。
じゃあ、これは?
手が熱くなるのを感じ見てみると、ヒカルの手から目と同じ青色の光が出ている。
それと同時に海堂の傷も治っていく……
「んっ……いった……」
海堂が目を覚ました。
「っ!海堂!!」
「颯太さん?何泣いてるんですか?」
「っ!////」
流れ出たままの涙を拭い取られ温もりを感じた。
生きてる……ちゃんと体温がある……
ずっと感じていたくて俺の頬に触れる手に手を重ね合わせ、握りしめた。
「……バカ……お前のせいだ……次こういう事があったら許さねぇかんな……////」
「……はい……?」