第10章 ペンダント
颯太said
海堂も動かなくなった。
俺は力も使えない。
もう……駄目なのか?
諦めかけてた瞬間、掴まれてた腕が急に楽になった。
「あれ……っ!」
顔を上げるといっくんがいた。
でもなんかいつものいっくんじゃない。
誰?
目が変。
人間の目でも能力者の目でもない……
死んだ目……
手には何も持ってないのに周りには血だらけの男が倒れていた。
将樹くんなら分かるけど、いっくんにはこんな力があるとは思えない……
「なっ!うぐっ!!」
触れてないのに少し手を動かしただけで人が倒れていく。
いっくんは眼鏡の男の方に歩み寄る。
「待て!分かった!コイツは返すよ!(汗」
男はヒカルを離す。
頭から血が……
そうか、あの手袋に触れてたから治らなかったんだ。
でも今なら……
男はヒカルを離したにも関わらず、いっくんは男に近づく。
「っ!何だ!離せ!んぐっ!」
首を絞める。
そんな事したら死んじゃう!
いっくんを止めなきゃ!
「いっくん!なにやってんの!離しなよ!」
いっくんに触れることなく弾き飛ばされた。
周りにバリアが張っているかのように感じた。
こんな力……あったの?
止めなきゃ……でも……
「っ!樹輝!」
「っ!どうなってんの?これ……」
将樹くん達が慌ててこっちにきた。
「どうしよ……いっくんがおかしい……」
「これ全部……」
「うん……」
「ん……」
「ヒカル!」
目を覚ました。
よかった……生きてたのか……