• テキストサイズ

そして今日も生きていく【R18】

第1章 青と黄色の少年


樹輝side

「オッドアイ……」

「ご、ごめん……気持ち悪いよね……皆これ見ると怖がるんだ。だから片方だけ伸ばしたままにしてた。」

「……そんな事ねぇよ。」

俺は黄色に光る瞳をのぞき込む。

「綺麗な目してるじゃねぇか。俺から言わせれば羨ましいよ。」

ヒカルの驚いている顔を無視し、頭を洗い上げた。

服は俺のを貸す事にした。
やっぱり少し大きいか。
ウエストがあっていないし、Tシャツは丈が長すぎる。

オッドアイの事について気になっていた。
日本人でオッドアイは珍しい……
義眼か?

「ヒカル、目のことについて聞いてもいいか?」

「……イイけど……ボクにもよく分からないんだ。ただ分かるのは……」

ヒカルは近くのハサミを見つけいきなり腕に刺した。

「うっ……くっ……」

「何やってんだ!?」

「いいから……見てて……」

ヒカルはハサミを抜き俺を真っ直ぐ見つめた。
すると、青色の目が急に輝き始めた。
それは少し不気味で……でも綺麗で……

腕を見ると、傷が治っていた。

「な……んだこれ……」

「……傷が治るんだ。ボクにもなんでこんなことになるのか分からなくて……たぶん、アソコではこの力があれば、不死身な体を作れると思ってボクの体を調べてたんだと思う。」

じゃあ、あの資料の写真は全部ヒカルって事か?

あれを全部……

「不死身って言っても痛みは分かるんだ。普通の人が感じる痛みと一緒。こんなんなら……死にたいって……何度も思った。もう死ぬほどの痛みを感じたくないって。こんな力持ってても気持ち悪がられるだけだし。……でも死ねないんだ。」

死ねない体……
人間からしたらそんな能力があれば誰でも欲しいと思うだろう。

俺だって思う……
そしたら毎日退屈じゃねぇだろうな。

「……きっと……イツキもそのうち思うよ……僕の事普通じゃないって……出会わなければ良かったって……」

ヒカルは寂しそうな顔で呟く。
出会わなければよかった?
俺は……ヒカルにずっと恋をしていたんだ。
出会わなければ言い訳……ないだろ……
ヒカルとの出会いにはきっと何か理由がある。

「あとね……こっちの目なんだけど……もう一つ力があるんだ……けど……これは……っ」

気がついたら俺はヒカルの唇にキスをしていた。


/ 245ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp