第1章 青と黄色の少年
樹輝side
ゆっくりと目を開く。
ヒカルは涙を流していた。
そんなに嫌だったか……
口を離す。
「ごめん……急に……」
「イツキ……く、苦しくないの?」
「は?」
苦しい?
どういう事だ?
「うそ……生きてる……」
「……いや……生きてて悪いのか?」
「違う!逆だよ!……こんなのイツキが初めてだ……今まで……皆死んだのに……」
「……死んだ?ちょっと待て……ん?俺死んでんの?」
「……さっき言おうとしたんだけど……こっちの目……」
そう言って黄色の目を見せる。
「ボクと口を合わせた人間は死んじゃうんだ……その瞬間にこっちがさっきと同じように光るの。でも、光らなかった……イツキだけだ。」
「俺だけ……」
「……イツキって……何か能力持ってるの?」
「いや……俺は何も……」
今までに不思議な現象は何も起こったことがない。
まぁ、起こってたら毎日楽しいだろうからな。
「……イツキなら……ボクを……変えてくれるかも……」
「俺……何も出来ねぇよ……」
「……いい……それでもいい……一緒に居させて……」
「いいけど……よ……」
そして、俺たち2人での生活が始まった。