第1章 1
いまだ爆睡中の愛美の両側に、kiyoとshujiが座ってニヤリと笑っていた。
「「$●□※★#@~!!!!」」
言葉にならない声をあげて、kiyoとshujiに飛びかかるyasuとka-yu。
その瞬間、kiyoとshujiの顔が引きつった。
【目覚めは・・・・・・】
更にギャーギャーとうるさくなったスタジオ。
愛美はまだ、夢の中にいる。
───と。
「・・・・・・疲れてるのはわかるんだけどね・・・」
一番最初に気付いたのは、少し離れたところで息を整えていたyouだった。
「あ。」
【・・・・・・kiss──】
スッと、愛美に振り下ろされるもの。
「起きてもらうぞ、遠藤」
「あー!危ないっ!!」
【──or──】
youが叫ぶのと同時に、スパーンという乾いた音がスタジオに響き、すぐにもう4発、スパン、スパン、スパン、スパンと響いた。
「痛い・・・・・・」
目を覚ました愛美は頭を擦っている。
顔を上げた視線の先には、チーフマネージャーの西條の姿があった。
「あ・・・西條さん・・・」
「おはよう、遠藤。疲れてるのはわかるんだけど、このままそこで寝てられると・・・」
西條が示した先には、同じように頭を擦るyou以外の4人のメンバーの姿があった。
「野獣らが盛って困るんだよね。だから悪いけど、起こさせてもらった」
そう言って西條が掲げた右手には、関西人御用達の───
【ハリセン。】
《目覚めはkiss or ハリセン。》