第1章 1
「そっか・・・・・・それなら・・・2枚もいらないよね・・・」
項垂れている七海ちゃんを見つめながら呟いた僕の声がとても沈んでいるように聞こえたのか、七海ちゃんが顔を上げた。
僕のアルバムを、両腕で抱えるようにして。
「いえ、いります!欲しいです!!ください!!」
今度は僕が目を丸くしている丸くした。
「だって・・・2枚もどうするん?」
「保存用にします!」
七海ちゃんがハッキリと叫ぶように言った。
「保存用って・・・」
「せっかくのyouさんのソロデビューアルバムですもん!開封しないで保存したいんです」
「・・・・・・」
少しはにかみながら言う七海ちゃん。
しかもその後に上目遣いがちに、
「ダメ・・・ですか?」
なんて言われたら、ねぇ・・・。
可愛さのあまり、僕はフニャリと崩れそうな口元を隠して、七海ちゃんから目をそらした。