第19章 近過ぎたキミ④（及川徹）⚠兄✕妹R18⚠

『知りません…
…ダイエット中なだけだし…』

プイッとそっけない態度も
可愛いとか反則だよ

コンビニで買ったシュークリームを
割ると指に付くカスタード

「はい、フライング」

唇にペタリと付けると
"もう！"と膨れてペロリと
舌がクリームを舐めとる

「甘い？」

『はい』

「恋人同士みたいだな」

『全然』

冷めた返事を聞きながら
甘ったるいシュークリームを頬張り
横目で姫凪を見ると
助手席の姫凪が
一口かじっては
窓の外を眺めてる

「どうした？」

『…なにもない…ご馳走様でした…
帰ります』

「分かった」

"なにもない"とか
どんだけ嘘ヘタなんだよ
帰るの怖いんだろ？

俺も帰すの怖い…
きっと、また…

って！考えるな！

スグには無理な事は分かってる
求められたら断れないだろう

好きなんだもんな

理屈抜きで本能が求めるんだよな

それ分かってて帰すのは
本当に怖いよ