第19章 近過ぎたキミ④(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
『あ…うん…
あの…サクラちゃんから
LINEが来て…朝練見に行くって…
だから…その…
(徹がドキドキしない様に見張りに…)』
小さく付け足された
一番の理由が
ツボ過ぎて
グッと来る
ホントにグッと。色々が…。
「(及川〜節操〜)」
今にも抱き締めたい欲求を
見透かした様に
まっつんの声が耳に届けられる
必死に踏ん張って足を止め
「そう?サクラちゃん!
うんうん!覚えてるよ!
気を付けて見るんだよ?
溝口くんの近くまでなら
来ていいからさ」
姫凪の頭を撫でるだけに留めた
なのに…
『あ!上からで良い!!
だって…近くで見たら…
(サクラちゃんが…
益々、徹を好きになっちゃう…から)』
ストップかわい子ちゃん…!
「お兄ちゃんは
姫凪しか見てないよぉぉ!」
抱き締めそうだった腕を高く上げ
囁きたかった言葉を
戯けて叫んで
必死にブラコン及川さんを演じる
『きゃあ!お兄ちゃん!?
怖い!高い!おろしてぇ!!』
「危ねえだろ!クソ川!
そ、それに!パン、パンツ!」
「岩ちゃんエッチ!
やっぱり二人きりになんかさせない!
お目付け役のオレが居ないと危ない!
今日は三人でオヤツ食べに行くよ〜!」
シレッとデート阻止だって出来る
大丈夫。
揺れても皆が居れば
軌道修正出来る
二人になるまでは
男と女になるまでは
道化師(ピエロ)にでもなれる