第18章 近過ぎたキミ③(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
モヤモヤをぶつけたのに
緩む徹の顔に
心がユックリ軽くなる
モヤモヤをぶつけられて
ぶつけてって
当たり前の事なのかもたけど
恋愛なんて初めての私には
そんな小さな事さえ嬉しくて
徹の優しい眼差しから
目が離せなくなる
「じゃあ、仲良くしないよ
だから機嫌直して?
仲直りするから
岩ちゃんとのデートもナシにして?
姫凪…早く問題解いて…?
ご褒美受け取って…?」
…破壊力!
そんな優しい顔して
甘く囁かれたら
鼻血出ちゃうよ!
ドキドキ跳ねる心臓に
突き刺さる甘い言葉に
『ニヤケ過ぎ!
期待する…じゃん…いいの?』
徹なんか目じゃないくらい
ニヤケる顔
「期待させてるの!
ほら、頑張って?
この後はデートだよ?
姫凪の好きな所行こう?
少し遠くに行こうか?
手を繋いで歩ける所、ね?」
本当に…どこまで
好きにさせる気だろう……
『行きたい…』
「え?それはどっちの意味で?」
『…?もう!!』
パチンと背中を叩くと
「どっちかな?」
さっきよりニヤケた顔で
ほんの少しだけ
重なって離れる唇
本当に
『どっちも、だよ?
分かってるくせに。
意地悪な所…大好き……』
大好きよ。