第18章 近過ぎたキミ③(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
部活を終わらせ汗だくの
身なりを気遣うのも忘れて
制服にだけ着替え
「及川ー…」
「パス!!」
マッキーをドシャットしつつ
部室を飛び出す
「おい、何慌ててんだ?
お前に話が………」
「岩ちゃん!ごめん!
今日急いでるから!
明日聞く!
じゃあね!」
岩ちゃんが呼び止める位だから、と
チョット思ったけど
オレの頭の中は
姫凪でいっぱいだった
早く、帰らなきゃ!
「及川さーん♡」
「ごめん!急いでるんだ!
またね!」
ファンの子に
愛想笑いを返す事も忘れてた
「及川ー…」
「ごめん!溝口くん!
後でLINEするから!」
コーチも全部全部
振り切って
「姫凪!ただいま!!」
家に飛び込んだ
「姫凪?」
鍵も開いてたし
てっきり玄関にお迎え来てくれると
思って疑わなかったから
シーンとした玄関に
ゾクッと背中が震えた
寝てるだけ?だよね?
だって靴あるし…
LINEはすぐ既読付いたし
部活終わりで見たら
可愛いスタンプ返って来てたし!
って!
スタンプだけって
冷たくない?!
バタバタと足音を立てて
姫凪の部屋のドアを開ける
「い…ない……?」
なんで?
なんでさ?
姫凪…どこ?